頑張れよ。いいことをすりゃあ、かえってくるさ。

64 ロクヨン  作者 横山秀夫  文春文庫

見出しの台詞は昔主人公の父が言っていた台詞。父子の距離が伝わってくるかんじがしました。

 

 

 

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。記者クラブと匿名問題でもめる中、〈昭和64年〉に起きたD県警史上最悪の翔子ちゃん誘拐殺人事件への警察庁長官視察が決定する。だが被害者遺族からは拒絶され、刑事部からは猛反発をくらう。組織と個人の相克を息詰まる緊張感で描き、ミステリ界を席巻した著者の渾身作。

上巻 うらすじ

 

記者クラブとの軋轢、ロクヨンをめぐる刑事部と警務部の全面戦争。その狭間でD県警が抱える爆弾を突き止めた三上は、長官視察の本当の目的を知り、己の真を問われる。そして視察前日、最大の危機に瀕したD県警をさらに揺るがす事件がーー。驚愕、怒濤の展開、感涙の結末。ミステリベスト二冠、一気読み必至の究極の警察小説。

下巻 うらすじ

 

ミステリ小説での文庫化にあたり、一冊で終わらない、(例えば64のように上下巻)の作品での”うらすじ”は大変な作業なんだなーと、おもいました。

今までそれほど気にしなかったのですが、下巻のうらすじを読む場面は僕の場合、上巻も読んでない状態で上下巻同時に見て読書テンションあげてるので。

でも、下巻だけしかない場面で、その作品の内容を伝えて上巻を探したくなるような文章を考えられてるんでしょうね。とてもたのしいです。

 

帯広告に書かれている

何本も平行する小川のようだった謎がラスト、一本の大河に姿を変える大技も圧巻だ。 温水ゆかり

そうそう、私では出来ない表現!川が集まるではなくて、”大河に姿を変える”凄いなーのひとことです。

 

 

2004年連載が開始も連載中止や、納得がいかず出版を中止されたり、病気と闘われたりと2012年の刊行されるまでに色々あった作品のようです。

 

ぼくは『64』の存在は映画で知りました。前編、後編に分れた気合いの入った映画と言うぐらいの認識。誘拐事件というキーワードは、聞こえてきていたので、勝手に”3億円事件の映画化” みたいな想像を持っていました。原作とは違うラストのようなので見てみたいと思います。

 

 

2015年、NHKでドラマもやってたんですね。主演がピエール瀧さん。顔で選ばれたそうなんですが、原作を思い返すと佐藤浩市より原作にあってる!と思ってしまいます。失礼ですが、佐藤浩市だとかっこよすぎるかもしれません。

 

昭和64年ー1989年 昭和の刑事が似合う俳優。今だと鈴木亮平がはまり役な気がします。あくまで私見です。

 

内容は上巻終わった時点で、あまりにも想像していたお話と違っており戸惑いを感じながらも夢中になってました。上巻は推理小説としての長い前振りな感じが強く、戸惑っただけで、凄く考えられた面白い作品でした。